(PowerShot S90 / 105mm 相当) 土砂降りの雨が試合中、間断なく降り続いていた。 ビニールの厚みだけはあるガンバのポンチョを叩く雨が、皮膚まで伝わってくる強い雨。 そんな雨に耐えるだけでなく、試合も忍耐を必要とする内容となった。 勝てば天国、負ければ地獄。 ACL 2011 グループリーグ突破は、この一戦の勝敗次第。 今季も日本から ACL へは4クラブ出場しているが、既に他の3クラブはグループリーグ突破、Round 16 への出場権を得ていた。 だから、負けられない。ガンバだけグループリーグ敗退なんて耐えられない。 試合はキックオフ直後から、ガンバが押しに押していた。 何度も何度もチャンスを作り、それはもう比喩ではなく二十回、三十回と数えるくらい。 なんで入らないの?なんで入れられないの?なんでだよ… そういう思いで前半が終わり、 そして後半に入っても状況は変わることがなかった。 既にグループリーグ突破を決めている相手の天津(中国)は、試合開始直後から時間稼ぎが酷くてイライラさせられた。 絶妙のスルーパスを受けたアドリーノが完全に DF を降りきって、GK と1対1になったのに外した時には頭を抱えた。 いや、頭を抱えたシーンはどれだけあっただろうか。 8千人弱ものガンバサポーターが土砂降りに耐えに耐えているなか、このまま攻めきれずに ACL の幕を閉じてしまうのか… そう思いながら残り時間を気にし始めたときに、ガンバの、日本のヒーローが決めてくれた。遠藤保仁。 絶好の位置から放たれた矢のようなフリーキックは、狙いすましたであろうゴールの隅に刺さった。 長い、長い、74分の鬱屈が、雨に消えていった。 その後、ロスタイムには目をつぶりたくなるシーンが連続したが、直後にショーキ(平井)の独走から PK を得て、宇佐美が決めた。 いつも PK はヤットが蹴るのだが、今季まだ得点がない宇佐美に譲るという余裕のある終わり方だった。 激しい雨は、まだ降り続いていた。 けれど、希望は繋がった。 この先のアジアチャンピオンズリーグを勝ち抜き、クラブワールドカップでバルサと戦いたい。再びマンUと戦いたい。 3年前の、横浜の夜は忘れられない。もう一度、味わいたい。 土砂降りの 90分。 その先には、ACL Round 16 への道が続いていた。
by dbl-h
| 2011-05-11 23:07
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