(PowerShot S90 / 28mm 相当 / 久屋大通リバーパーク@名古屋) 先日の名古屋での一枚。 あいにくの小雨模様だったが、ちょっと 30分ほどの空き時間で散歩しつつ iPhone 4 & 4S のカメラ性能比較用写真を撮っていた。 それとは別に PowerShot S90 で何枚かスナップを撮っていた。 ケータイのカメラがコンパクトデジカメを駆逐するだろうと言われて久しい。 今では駆逐する側が「ケータイ」ではなく「スマートフォン」になったが、尚そう言われる。 果たしてそうだろうか? ここ5年10年は“デジタルカメラ・バブル”とも言うべき状態であり、 スマートフォンのカメラがコンパクトデジカメを駆逐するかどうか別にしても、 5年もすれば国内のカメラ市場は(コンパクトだけでなく全体として)縮小に向かっていくだろう。 もちろん、コンパクトデジカメにスマートフォンの影響がなくはないだろうと思う。 それはゲーム機と同じである。 ライトなユーザーは、全部入り的なデバイス=スマートフォンに流れる。 ライトなゲームプレイヤーは、専用ゲーム機ならではの時間のかかるコアなゲームは必要なく、 スマートフォンのそこそこの質でお手軽なゲームで十分満足する。 スマートフォンでは操作性が〜、作りこみが〜、といったところで関係ないのである。 同じように、写真をお手軽に撮るだけの層は、独立したデジタルカメラは必ずしも必要としてなく、 スマートフォンのそこそこの画質で簡単に撮れる写真で満足する。 コンパクトデジカメだと画質が〜、光学ズームが〜、といったところで関係ないのである。 ただ、必ず縮小していくであろうが、駆逐するというほどになるかどうかは疑問だ。 でも、そうなるかどうかはカメラメーカーの方向性にかかっている。 現在コンパクトデジカメの単価は下がる一方で、それをどうにかしようというカメラメーカーの模索もあり、 その中の一つが高級コンパクトのようなマニアックな路線だ。 単価を上げることもできて、メーカーにとっては当たれば美味しい話になる。 ただ、そうなればなるほど、一般層から遠ざかることになる。 マニアだけが使うものになっては、駆逐されたも同然である。 スマートフォンのカメラが良くなり、それで賄える範囲が広がるほど、コンパクトデジカメに対する出費意欲が減少するのは明らかである。 その時に単価の安い、納得できる価格で魅力あるカメラがなければ、売れ行きは下がるばかりだ。 カメラの入口としてのコンパクトデジカメを衰退させては、将来に良い影響をもたらすわけがない。 けれど、日本社会の景気が決して良くならない状況では、アレもコレも買うという人は少ない。 デジタルカメラを買う優先順位が、他に優先されるような状況であろうか。 となれば、スマートフォン時代において、安く魅力あるコンパクトを作ることは何よりも大切だろう。 スマートフォンでは撮れない写真が手軽に撮れて、出す気になる金額。 カメラ雑誌や世間の話題的には高級コンパクトカメラばかりが取り上げられることが多いけれど、 私はそんな方向に注力しているカメラメーカーより 廉価クラスに手を抜かず、しっかり作るメーカーを支持したいと思っている。 高い水準で理想に近いカメラを作る方が楽しいのは人として当然だろうけれど、 与えられた大きな制約の中で妥協を重ねつつも、できるだけ妥協のラインが高くなるように苦労している技術者を応援したい。 スマートフォンとコンパクトデジカメの関係については、色々思うところがあるのだけれども ちょっと長くなりすぎるので、中途半端だけど、この先はまた別の機会に。
by dbl-h
| 2011-10-25 23:46
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